「つらい」よりも「幸せ」と思える時間がおおい子育てを。母乳育児のスペシャリスト 産婆のお家ohana:橋本早矢香さん(助産師)

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助産院を開業したきっかけは?
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体調を崩して病院の仕事を辞めたとき、コロナ禍なこともあり保健センター乳幼児健診のお手伝いをしていました。そこで、想像以上に子育てに困っているお母さんがいることを目の当たりに。いつかやろうと思っていた助産院を、今やってみよう!と勢いで開業しました。
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現在はどんな方が助産院を利用されていますか?
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母乳育児を頑張りたい、続けたい、混合だけど母乳も長く続けたいお母さんが多く来てくれています。岡山でも数少ない、母乳育児の国際資格を取得していて、今も勉強を続けています。授乳のことで困ったら任せてほしい。
1日何回もする「授乳」がうまくいかないってことは、とっても大変なことだと思います。赤ちゃんの命にかかわることですし。授乳がうまくいかないって、一日の大半を「困りごと」が占めてしまう。
ちゃんと適切な対処をすれば、みんな飲めると思う。痛い時間も、悩んでいる時間も、減らせる。だから、「こんなことで相談していいのかな」と思わずに気軽に頼ってもらえたら嬉しいです。
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そんな橋本さんも、現在妊娠中ということで..
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はい、もともと女性が妊娠して、仕事もして、出産も痛いことを乗り越えて、育児も大変で、尊敬していたんですけど、実際に自分が経験してみて、つわりとかもそこまで強くはなかったですけど、よりすごいなと思いました。私は、17年くらい子どもがいない時間があって、たくさんのお母さんたちから学ばさせていただいて、このタイミングで妊娠できてよかったなと。お母さんたちがどんな選択をしても、人をひとり育てているという事実が、本当に尊敬だなと思います。
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お母さんと関わるときに、大切にしていることは?
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とにかくしっかり話を聴いて、本当はどうしたいのかを言える空気をつくったり、言えるように聴くということ。お母さん本人が決めたことを応援する姿勢です。その人がつらくて辞める選択をしたなら、これ以上つらくならない方法を一緒に考えるし、続けたいならできる方法を一緒に考える。何個もある選択肢からお母さんが選んで決められるようにサポートをする。わたしはその選択肢、引き出しを増やすお手伝いをするというスタンスです。
新人のころは正しい知識や方法を良かれと思って伝えていたけど、お母さんから「それは理解できるけど、現実できない」と言われてハッとした。教科書のことしか知らない自分に、教えてくれたのは目の前のお母さんや、先輩たちだった。私は自分が出産の経験がないからこそ、素直に受け入れられたのかもしれないですね。

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地域で活動して3年半、いま感じていることは?
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それまでは助産師が産前産後のことをしていると思っていたけど、地域に出てみて、いろんな職種の人たちがお母さんをサポートしていることを知りました。自分ひとりで頑張るのでははなく、いろんな人たちを頼っていいんだと、私自身も気づかされたんです。病院では勤務の時間が限られているし、退院したら関わることができないけど、地域の助産師は、ひとりひとりと長くお付き合いができる。開業して本当に良かったなと思います。
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病院と助産院の違いをひとことで言うと?
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簡単にいうと、その人のためだけのケア、そのためだけの時間がとれることですね。病院に比べると自由度が高いので、サポートできることも増える。産後ケアでいうと、病院ではお母さんの休息が中心となりますが、助産院で行っている産後ケアは、その人の困りごとやニーズに合わせてカスタマイズできるのが魅力。困っていることを相談したり、上手くいかないことを練習したりできる。ゆっくり関わってほしい、大事にしてほしいと思う人は、1対1の産後ケアに来てくれたら、そこは満たされると思うし、助産師をひとりじめできるのは大きな魅力だと思います。
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橋本さんの思い描く、理想の産前産後とは?
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ほとんどの人がこどもがほしくて妊娠したのに、出産がつらい、こわい、産後しんどい、つらい、が大きのは悲しいなと思っていて。望んだ妊娠出産が、もちろんしんどいことやつらいこともあるけど、それよりも、可愛いとか幸せと思える時間のほうが多くなってほしい。そのためには一人ではなく、旦那さんや家族、地域の人たちとつながって子育てができること。最近は地域のつながりは薄くなりましたけど、その代わりに、色んなサービスや支援者が増えていると思います。困ったとき、スマホに相談するのではなくて、まずは顔がみえる人、安心できる人に相談することが第一選択になってくれたらいいなぁ。
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最後に、産前産後の方へひとことお願いします!
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頼る=弱い、悪いではないということ。私自身も本当に頼ることが苦手なんですが(笑)助産師になって17年「何でも自分でしたい」って思っていた時もあったけど、今はそうではない。少しずつ家族やまわりにいる人たちを頼れるようになってきました。産後も、みなさんに頼る気満々です!
産後のお母さんたちは、とにかく子育てを楽しんでほしいなと思います。妊婦さんは、この限りある時間を大切に過ごしてもらえるように、地域にもたくさんの人たちがいるから繋がっていってほしいですね。
日帰り型産後ケアがはじまります!
これまで退院後の自宅に訪問する「訪問型産後ケア」で育児や授乳のサポートをしてきた橋本さん。
2026年4月から岡山市中区四御神の助産院にて、「日帰り型産後ケア」をスタートします。
昼食とおやつ付き。休息だけでなく、助産師をひとりじめできる1対1の手厚いサポートが魅力です。
自身を「ドラえもんみたいな?」と称する(笑)親しみやすいキャラの橋本さんの助産院、ぜひドアをノックしてみてくださいね。
お問い合わせはInstagramにて
